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 解説霊泉寺阿弥陀如来と胎内物(県宝)

霊泉寺は、丸子町霊泉寺温泉にある禅宗の名刹で弘安元年の開基と伝える。
この寺には、かつて阿弥陀堂があり、その本尊がこの阿弥陀如来であったが、阿弥陀堂が火災で焼失したため、現在本堂に安置されている。(写真)この仏像はかつて江戸時代の制作になるものとされていたが、最近故倉田文作氏の鑑定により南北朝後期のものと認められ、「県宝」に指定された。
ところで、この仏像の胎内(お腹の中)から正和4年(1315)という年号の入った墨書があることが発見され、それとともに多数の胎内物があることがわかった。正和4年といえば、いまから約670年も前、鎌倉時代末期のことだ。こんな古い文書は地方には稀で、もちろん上田・小県地方でも、現存する文書としては最古のものである。(次の写真)
この文書と同じ胎内から「仏舎利」(お釈迦様の骨)をはじめ、五種の香、五種の玉、五種の薬など、当時貴重とされる品品が、たくさんのお経や仏面(2個)などとまじって、発見されている。(2つ先の写真)
文書は正和4年に「阿弥陀仏を造立し奉る」趣意を書いたもので、種種の胎内物もそのとき調えたものであることは明らかだ。しかし阿弥陀如来は、それから少くも2〜30年おくれたころの制作とされる。つまり納入物の方が早くできているのである。この理由は、おそらく寺に何か重大事件があって、仏像の制作がおくれたものであろうと推定されている。
しかし、鎌倉末ごろの文書が、そのころもっとも貴重とされた数数の宝物とともに残っている点が特に重要視され、これらの胎内物は仏像とともに「県宝」に指定された。
 
撮影日:
地区/自治会: 31内村/平井
シリーズ: 塩田平の文化と歴史 4解説
登録されているキーワード: 神社 その他の文化 観光 
 
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