この石は現在、市民の森・わしば山荘の入り口に置かれています。深さがどのくらいあるかわかりませんが、水がたまっており、どんなに日照りのときでもかれることがないそうです。市民の森周辺は、今でこそ一帯が森林になっていますが、以前は小さな雑木しか生えておらず、明治の末ごろは草刈り場でした。昔、この辺りではどの家でも牛馬を飼っていて、えさになる草をこの草刈り場で調達したものです。だから当時の人たちは、草刈り鎌をこの鎌研ぎ石で研いだのではないでしょうか。
市民の森ができる前、この周辺は旧豊里村の村有林で、そこには「雨池」と呼ばれる小さい水たまりのような湿地帯がありました。鎌研ぎ石は、当時その辺りにあったと聞いています。わしば山荘建設のときに、現在の場所に移されたようです。
お話(中村光一さん・長入) |