名所だった水力発電所
真田町本原を通る国道144号と別れて、神川にかかる畑山橋を渡ると東太郎山麓に畑山があります。
明治35年(1902)、畑山の龍洞ケ淵に上田電燈株式会社(資本金五万円)の水力発電所が完成、上田の町に初めて電灯がともされました。
当時の人々は電気についての知識がじゅうぶんでなく、「水を火にする機械」を見物する人たちで畑山は賑わい、発電所は名所の一つになったそうです。
発電は最初60キロワットでしたが、後にはその二倍となり、十燭光三百二十三灯、十六燭光六百六十九灯、二十四燭光二十一灯というのが当初の需要でした。これはほとんど上田の中心部のことで、発電所の地元である畑山には、堰の危険を防止するための電灯が一灯だけだった。
今年は畑山に発電所が建設されて90年になりますが、文明開化の象徴とも言える電灯は、畑山からの送電によるものでした。この発電所は昭和41年に廃止になりましたが、同57年、発電所跡は上田市指定文化財・史跡に指定されております。 |