全神経を傾けて染める
柳町安次さん(下紺屋町)
矢出沢川沿い、八幡橋のたもとにある百足屋染物店。店内には華麗な模様の反物がたくさん並べられています。店は約八十年の歴史があり、柳町さんが二代目。一口に染物屋といっても、その内容は複雑多岐にわたっています。柳町さんが手掛ける主な仕事は染み抜き、洗い張り、無地染め、型染めなど。
また、染物屋は立地条件にも注文が多く、川に近いこと、反物(一反は約十二メートル)を引っ張れるような広い敷地が必要なこと、作業場は南向きであることなどが要求されます。作業中、柳町さんは「なにしろ難しくて、一瞬でも気が抜けない。一生かかっても一人前にはならないかもしれんね」と、手際よい作業姿に“職人らしさ”がみなぎっていました。 |